10月号
目次/2022年10月号/みんなの図書館
OCTOBER
2022
No.546
特集:指定管理は図書館にふさわしくない
特集にあたって 編集部 3
指定管理者制度導入以降の図書館を取り巻く動きを再確認する 松本芳樹 4
公立図書館の指定管理者制度 永利和則 7
総務省「見える化調査」にみる群馬県内自治体の図書館運営に対する見解(令和3年度調査) 永井宝 15
こども図書館開設に関する現在までの経過と問題点 ─および、今後に求めること 山口明子 22
「ツタヤ図書館」指定管理から10年、奪われた地方自治! 井上一夫 34
一般:
市民にとって図書館とは何だろうか《第2回》─豊田市立図書館の今と、これからを考える 才津原哲弘 43
連載:
男木島図書館便り─50 額賀(福井)順子 54
こんな図書館はいやだ─17 図書館がこだわらなければならないこと 山重壮一 56
ほん・本・Book:
『いま知りたい伝えたい東京23区の社会教育白書2021』62 蓑田明子 62
『自治体学理論の系譜』 林秀明 63
図問研のページ:
第10-18回常任委員会の記録 65
会員異動 72
今月贈っていただいた資料 72
編集後記 72
column: 図書館九条の会l:
『こわいをしって、へいわがわかった』 津田惠子 61
Crossword Puzzle; 457 42
特集にあたって
編集部
文責:川越峰子
指定管理者制度を特集してほしいという要望が昨年の全国大会で複数の人々から出された。特集を組まねばならない。特集を組むのはいいが、ではどんな切り口で、というところで毎度詰まってしまう。当然立場は反対である。
当然反対と書いたが、特集として考えるとき、それだけでいいか?
指定管理になった図書館の実態、これは知りたい。が、忖度の時代である。執筆者が得られない。忖度をおいても、行政側であろうと受託側であろうと内部の人は守らねばならない。無理が言えない。住民には外側からはなかなかわかりにくい。
指定管理問題が浮上しているところの状況、そこでの反対運動のやり方、これも渦中にあると原稿執筆どころでない。
そうすると理念……
今年2022年の全国大会指定管理者分科会で、指定管理についての反論が確立されていない、という意見があった。肯定してしまったようになったが、そこで黙ってしまったのはなぜか? 有効な反論がないのは事実? 図書館とは何ぞや、が反論ではないのか。今揺らいでいるのは「図書館とは何か」、一番肝心のところなのか?
永利報告がこれまでの論議を整理している。
指定管理の導入経緯を見聞きすると、とにかく不透明、首長や上からの圧力、唐突といった言葉と不可分な導入実態である。寝屋川の例もそう言える。
圧力の背後に国があるのは松本報告や例年の永井報告で明らかである。永井報告にみる一部の自治体のきっぱりした態度がなぜすべての自治体で取れないのか。
他はともかく、図書館への指定管理者制度導入は、自治体がその自治体や住民のこれからをどう考えているのか、図書館をどうとらえているのか、それ抜きで目先の利益のみで動いた結果としか思えない。
武雄の報告は、自治体のあり様である。
みんなの図書館編集部:明石浩/今井つかさ/片野裕嗣/川越峰子/小廣早苗/西河内靖泰/微笑正凡/藤巻幸子/二橋雅子/松本芳樹
図書館問題研究会
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