10月号

目次/2020年10月号/みんなの図書館
OCTOBER
2020
No.522

特集:図書館職員の現在から未来を考える─会計年度任用職員の導入で何が変わったか
特集にあたって 職員問題委員会 3
女性非正規化する図書館員は会計年度任用職員制度で救われるのか 上林陽治 4
制度が変わっても、怯え続ける 村上由美子 14
会計年度任用職員制度が導入されて 大場康智 18
会計年度任用職員制度への移行で何が変わったのか 森本大 22
「公共図書館における非正規雇用職員に関する実態調査」を実施して 小形亮 26
「公共図書館における非正規雇用職員に関する実態調査」から見えること 渡辺百合子 32
日本図書館協会専門職制度検討チーム報告─「非正規雇用職員が職員数の多くを占める時代における職員制度のあり方について」(2019年3月)紹介 利光朝子 41

一般:
ツタヤ図書館の作られ方 和歌山市の場合─自治体の主体性はどこへ行った 脇谷邦子 47
前川さんとのこと 國松完二 52
『みんなの図書館』誌上にみる前川恒雄 天谷真彦 53

連載:
こんな図書館はいやだ─6 こんな図書館はいやだ、ではなくて、こんな図書館がいい その3 山重壮一 60
図書館ノート─II-6 食べられなかったおにぎり─「たとえ寝る場所がないとしても、あなたには価値がある」 山口真也 65
男木島図書館便り─39 額賀(福井)順子 70
公民館・図書室からの風景─11 語らい、寄り添う文集づくり 山田龍太郎 72

ほん・本・Book:
『子どもと本の50年』 西村敦子 76

図問研のページ:
2020年度第67回図書館問題研究会全国大会議案書面表決結果 79
8月号訂正 77
会員異動 80
今月贈っていただいた資料 80
編集後記 80

column: 図書館九条の会:
清張『黒地の絵』、基地の街の人権─沖縄と小倉 津田惠子 78

Crossword Puzzle; 433 46

特集にあたって
職員問題委員会
文責:清水明美
2020年4月1日、世界中が新型コロナウイルスによる混乱の中、日本の各地方自治体では新たに会計年度任用職員が誕生した。
今までさまざまな任用根拠で任用されていた非正規公務員の任用根拠を統一し、同一労働同一賃金の考え方のもと待遇改善がはかられるはずだった。しかしふたを開けてみるとその期待とは程遠い様子が見えてきた。
日本の公共図書館のほとんどは自治体の設置する公立図書館であり、そこで働く有期雇用の職員の多くは会計年度任用職員に移行した。近年は委託・派遣や指定管理による民間社員の図書館職員も増えているが、多くの図書館の設置母体は自治体であり、自治体の動向と無関係ではない。また公立の学校で働く有期雇用の学校司書も大多数が会計年度任用職員に移行した。
今回の特集では、当事者でも理解しにくい会計年度任用職員の制度と施行後の様子を地方自治総合研究所の上林陽治氏に、会計年度任用職員に移行後の図書館での様子を田原市の村上由美子氏と荒川区の大場康智氏に、移行にあたっての組合による交渉について、西宮市嘱託職員等労働組合の森本大氏に書いていただいた。
また日本図書館協会非正規雇用職員に関する委員会で2018年から行われた、「公共図書館における非正規雇用職員に関する実態調査」について委員長の小形亮氏に、その内容の分析について東京支部の渡辺百合子氏に書いていただいた。さらに日本図書館協会専門職制度検討チーム報告「非正規雇用職員が職員数の多くを占める時代における職員制度のあり方について」をチームのメンバーであった利光朝子氏に紹介していただいた。
この特集により「今」の図書館職員の現状と問題点を知り、「未来」の図書館職員のあり方を考える手がかりとしていただければ幸いである。

みんなの図書館編集部:明石浩/今井つかさ/片野裕嗣/川越峰子/小廣早苗/西河内靖泰/微笑正凡/藤巻幸子/二橋雅子/松本芳樹
図書館問題研究会
http://tomonken.sakura.ne.jp/tomonken/
メール tmk55@tomonken.sakura.ne.jp

Posted by tmk