公共図書館における集会活動について

公共図書館における集会活動について   群馬支部 永井 宝

本研究は公共図書館(以下、図書館)における集会活動を集団学習のひとつとらえ、社会教育学習論によって理論的に裏付けることを目的としている。図書館は収蔵資料の性質上、その学習は個人が主体であり集団学習の側面が薄いため理論的な研究の蓄積が多いとは言えないのが現状である。そこで本研究で学習論として社会教育の諸「テーゼ」から、学習の発展の側面で「公民館三階建論」を職員の役割の側面で「下伊那テーゼ」を理論的枠組みとして採用し図書館における集会活動にあてはめて事例と比較対照させた。結果として、事例からは「公民館三階建論」の3階にあたる事例はみられなかったものの、職員の働きかけ次第では講座から集団学習への萌芽をみることができた。本研究の意義は諸「テーゼ」と図書館における集会活動の照応を証明し理論化への道筋を示したことである。今後の課題としては近年の事例を収集・実地調査し現状を明らかにすることである。

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