『能登半島地震による資料落下から考えた一考察』
『能登半島地震による資料落下から考えた一考察』奥山智靖
2024年1月1日に発生した能登半島地震は記憶に新しい。
震度5強を記録した新潟市中央区の信濃川沿いにある私の職場でも出勤した時にはざっと見1000冊ぐらいの本が散乱しており、1人で元通りの書架に片付けるのに1時間ぐらいかかった。
最初、入室時に被害の様子を記録しておこうとタブレットでの撮影を試みたのだが、続けていくうちにどことなく違和感を覚えた。
書架の倒壊防止策として、2004年の中越大震災後か2011年の東日本大震災後に書架上部にスチールの棒を複数渡して金具で留めて、それぞれを相互に支える形にしていたせいか、どの書架もきれいに上2段から書籍が落下しているのだ…。
重たい市町村史をある部分コーナーとして上2段にも入れていたところはそもそもがマズかったにせよ、高さや厚み・表紙の材質の違う書籍を隣り合わせに入れていたところなどは、明らかに摩擦によって弱い方、動いた方の書籍が落下しているように感じられた。
また、揺れが伝わってきた方向に対して書架の置き方が90度違うだけで、全く書籍が落下していない書架も見られた。
そのあたり2011年3月11日に発生した東日本大震災時の被害と比較して、地震に強い棚づくりについて考察する。