6月号
特集:あるべき図書館を求めて─住民の活動から
特集にあたって 編集部 9
歩いていける「地域の図書館」の存続を求めて─豊中市民の取り組み 安達みのり/脇谷邦子 10
印西市立図書館指定管理者制度導入に反対する運動 菅井貴美子 18
町田市の図書館戦争─公共施設再編の嵐の中で 薗田碩哉 25
図書館に導かれた“出会い”と“活動”─川崎市立図書館の指定管理者制度導入を追って 岡本正子 31
ゆるくつながる─千葉県図書館関係市民団体連絡会 大宮祐子 41
図書館問題研究会 第69回全国大会案内 3
図書館問題研究会 第69回全国大会 申込書 8
一般:
地域のハブとしての図書館を考える─ミネルヴァ書房「講座・図書館情報学」シリーズ完結に寄せて 本田康広 44
連載:
情報と人間の交差点で─2 自己紹介、実習生の裁判、赤毛のアン… 名前とは何か(2) 佐々木央 53
男木島図書館便り─54 額賀(福井)順子 62
こんな図書館はいやだ─21 歪んだ像で形作られた図書館はいやだ 山重壮一 64
ほん・本・Book:
『学校図書館とマンガ』 鬼頭孝佳 70
図問研のページ:
第47回東北集会on Zoom─よなよな語ろう4日間 71
2022年度第2回全国委員会の記録(つづき) 76
今月贈っていただいた資料 79
会員異動 80
訃報 80
5月号訂正 80
編集後記 80
column: 図書館九条の会:
ウクライナ戦争と15年戦争 松尾昇治 69
Crossword Puzzle; 465 43
特集にあたって:編集部 文責:川越峰子
久々の住民の特集である。このところ特集どころか一般記事でも各地のたよりでもなかなか住民の活動を報告することができていない。現実には図書館をめぐってさまざまな事象が起きていて、住民はそれぞれに取り組んでいるが、拾うことも依頼もできていない。そこで特集を組むこととなった。
・指定管理者制度導入、施設再編による身近な図書館の廃止、新施設の問題点などで反対運動が各地で起きている。
・職員体制の変化・職員組合の弱体化で、住民とつながり支える職員が極めて少なくなっている。職場では職員も計画を知りがたくなっていて、住民と連携できない仕組みになってしまっている。
・かつての住民運動経験者が、住民・支えた図書館員とも高齢化さらには死去していて住民運動が引き継がれていない。また、新たに活動を始めようという人々もいて、ノウハウを知りたいという要望がある。実際に昨年の全国大会分科会ではノウハウを知りたいという住民の問いかけがあった。
・一方で、住民が独自に図書館活動を展開しているが、かつての文庫活動と違って、必ずしも図書館とつながっていないのではないかと思われる。かつての文庫活動は図書館を頼りにするからこそ図書館への要求も厳しくあったが、今は、図書館? それはそれ。果たして本当にそうか?
といった想定で取り組んだのだが、そうか?
現実にはいくつかの取り組みを紹介するにとどまった。
運動を粘り強く続けている町田、豊中。近年になって活動に取り組むようになった印西、川崎。それぞれに現状では明暗が出てきているようだが、予断を許さない。
図書館員として、司書として、住民とともに活動しよう。
住民の活動をともに支えていこう。
みんなの図書館編集部:明石浩/今井つかさ/片野裕嗣/川越峰子/小廣早苗/西河内靖泰/微笑正凡/藤巻幸子/二橋雅子/松本芳樹図書館問題研究会