2026年1月号
みんなの図書館 2026年1月号 図書館問題研究会
JANUARY 2026 No.585
特集:全域、全住民サービスを見つめる
特集にあたって 編集部 03
「全域サービス」の意義と課題を考える 石川敬史 04
神栖市立図書館の学校図書館支援 前田好江 14
新潟市立図書館の高齢者サービス 〜西川図書館を例として〜 辰口裕美 22
地域と移動図書館 髙橋将人 32
置戸町立図書館 全域サービスの源流をたどる 〜草創期の熱量にふれながら 森田はるみ 41
『みんなの図書館』年間総目次2025 82
連載
図書館の生態系 36 図書館はほぼ冤罪、地元の家族経営書店の衰亡──日本に伝統的な出版物の総合商社、寡占の取次企業の罪とグローバル・リベラルエコノミー ── 山本順一 49
世界の図書館は、いま。3 イギリスの図書館界をめぐる「図書館の自由」 井上靖代 70
ほん・本・Book
『図書館と向き合う』 子安伸枝 76
column : 図書館九条の会
憲法9条は私たちの宝 永遠の平和を求めて 図書館づくり55年 住田啓子 77
ひろば
ある出来事 永井宝 78
Crossword Puzzle; 496 48
図問研のページ
学習会報告:
知っていますか? 法制度から考える非正規公務員問題 ~非正規公務員を「守る」法律、「縛る」法律~ 高知支部 80
イベントガイド:
第50回東北集会in宮城 47
図書館問題研究会第52回研究集会in大阪に参加しませんか? 75
お知らせ:
第72回図書館問題研究会全国大会の日程・会場が決まりました。 88
会員異動/今月贈っていただいた資料/編集後記 88
特集にあたって:編集部 文責:前﨑徳生
[特集]全域、全住民サービスを見つめる
『市民の図書館』の発刊から55年が経った。使いづらかった公共図書館は「市民のための図書館」に変貌し、広く市民の支持を集め、急速にその数を増やしてきた。そして社会が縮小する現在の社会状況にあっても、わずかながら増加を続けている。しかしながら、公共施設再編の流れの中で、自治体によっては地域館や分館を廃館し、幾つかの公共機能を統合した大型公共施設に集約しようとする動きも顕在化している。
こうした状況のなか、全域、全住民サービスの観点から自ら来館する(できる)市民だけでなく、地域に暮らしている図書館と縁の遠かった市民へのアプローチが様々な方法で実践されていることにも目を向けたいと思う。目の前の市民の実情に合わせて、役立てるサービスをオーダーメイドでつくっていくのが専門職の仕事であり、地域の仕組みの中でそれを実現していくのが司書の力量であろう。
今回は北海道、新潟県、福島県、茨城県、滋賀県での実践を紹介し、十文字学園女子大学の石川敬史さんにまとめの論考をお願いした。今後も全域、全住民サービスを広げ、深めている各地の元気な実践を収集し、紹介していければと考えている。
