「福井県の高校演劇から表現の自由を失わせないための『明日のハナコ』上演実行委員会」の福井県高校文化連盟演劇部会への要求に賛同します

2022年2月28日
図書館問題研究会全国委員会

 私たち図書館問題研究会は図書館員、住民、研究者を主な構成員とする研究団体です。
 2021年9月18日~9月20日「福井県高校演劇祭」において、福井農林高校演劇部が「福井県高校演劇祭」(無観客)で上演した『明日のハナコ』が福井ケーブルテレビでの放映禁止、記録映像閲覧の禁止、脚本集の回収という異常な事態に見舞われました。憲法で保障される表現の自由を前提とした、知る自由の保障をもっとも重要な任務とする私たち図書館に関わるものにとって、このことは看過できません。
 福井ケーブルテレビの要請を受けた福井県高校文化連盟演劇部会の決定は検閲であり、表現の自由への重大な介入でもあります。個人名、反原発、差別用語の件については、当時の敦賀市長や北野武氏の公の発言であること、反原発については憲法で保障された思想信条の自由であり、差別表現については当時の敦賀市長の発言をそのまま引用したもので、差別を助長するものではありません。これを削除することは差別発言が行われた事実を隠蔽することにもなります。
 生徒たちの表現の自由が先ず尊重されるべきです。
 私たちは、福井県高校文化連盟演劇部会の決定に抗議するとともに、『明日のハナコ』上演実行委員会の求める以下の項目が速やかに受け入れられることを要望します。

108日の顧問会議で行われた決定3項目を撤回すること。(ケーブルテレビでの放映禁止/記録映像閲覧の禁止/脚本集の回収)
・福井農林高校演劇部員たちへ誠実な謝罪をすること。
・今後演劇表現の内容をもとにあらゆる不利益な扱いをしないこと。
・表現の内容に理不尽な介入をしないこと。
・人権侵害を行ったことへの真摯な反省を表明すること。

Posted by tmk